弁護士の仕事道具(必要最小限ver.)

弁護士業はコンサルティング業の一つですが、業務スタイルは多種多様で、取り扱う内容次第で必須となる仕事道具も大きく異なってくるのかもしれません。

私の場合、顧問先等の顧客に対する予防的法務コンサルティングが中心的な業務であり、訴訟業務等の裁判案件がそこまで多くはありません。なので、基本的には顧客との連絡手段が確保できて、かつ文献や裁判例等の調査業務がそれなりに問題なく行うことができれば何とかなります。

効率化を追求すればきりがなく、実際に四六時中「より良い執務環境」を追い求めてしまうのですが、それとは真逆の大切な理解として「これだけあれば何とかなる」という必要最小限のラインを把握することが極めて大切です。

フットワークの軽さと効率化のバランス、それを考える前提としての「仕事道具(必要最小限ver.)」を整理しておきます。

  • スマートフォン
  • インターネット環境
  • 紙のメモ帳とペン

スマートフォン

四六時中ポケットの中に入れておける超小型PCとして必要不可欠です。スマートフォンは高機能電話機ではなく超小型PCに電話機能が付されたものです、そこの理解を誤りたくない。

インターネット環境

超小型PCとしてのスマートフォンだけだと顧客に連絡を取ることができません。そこはインターネット環境とセットでこそ成立します。オフラインでできることといえば文書作成業務くらいですが、作った文書は顧客に送ることになりますから遅かれ早かれオンラインにすることが必要です。ブロードバンド環境はビジネスパーソンにとっての基本的人権。

紙のメモ帳とペン

ここは賛否両論ありそうで、紙媒体を一切持ち歩かない人も少なくなさそうです。

私も数年前までは紙媒体を持ち歩かず、スマホかPCでメモを作成していました。それでも足りそうですが、起動力という意味で紙とペンに勝てるデジタルはまだ見当たりません。目先の紙とペンはとにかく早く(速く)て低コストでしかも自在に使える。まるでチェーンの牛丼店のような素晴らしさが紙のメモとペンにはあります。

紙に書いたメモをどうするか問題は、とりあえずそのままスキャンしてクラウドに放り込む、あるいは律儀にデジタルツールで清書して(要するにデジタルドキュメントとして再構築して)から処分、というのが正解です。紙のままで保管するのは思い出としての価値であり、内容自体の価値はデジタル保存の圧勝です。そしてスキャン機能の向上を考慮すれば思い出としての価値すらデジタル保存で良い気がしてきました。

総括

スマホの普及していなかった時代であればこのような身軽な仕事スタイルは実現していなかったわけで、ちょうど私が弁護士デビューした2011年頃には何とかスマホも実用に耐えうる程度のスペックになっていたため本当に時代に恵まれた感が否めません。

とか言いつつよくよく思い返せば、2011年当時はWiMAX内蔵型レッツノートを常時ネット接続状態で持ち歩いていたため、実はそこまでスマホを信用していなかったのかもしれませんが、、、

当時のレッツノートは埃を被った状態で思い出遺産として事務所の地べたに置かれっぱなしです。しかも2台も。

今でも当然ながらPCを使いますが、持ち歩く機会は減りました。重たいから。ガシガシと文書作成するのであればおとなしく自宅に引きこもってPCでやりますが、それはあくまでも「プラスα」なのです、私にとっては。

スマホとネット環境と紙のメモとペン。これだけあれば何とかなるという身軽さに誇りを持っておく。

あと、もう一つ、大切なものがありました。

本当に大切な仕事道具

それは、自身の頭脳です。道具やお金は盗まれたり失くすことがあるかもしれませんが、頭の中身はきっと最後まで手元に残るはずです。

結局、四六時中、頭脳を鍛えるほかないのですね。観念して、引き続き勉強を続けます。

中尾慎吾

弁護士/コンサルタント"中尾慎吾"です。契約関係・法律関係の最適化に関心があり、法律顧問の立場から事業活動および私的活動を「的確な法律知識の裏付け」を根拠として適切にコンサルティングしています。 連絡先:shingo.nakao1015@gmail.com

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